照明探偵団とは
世界中の都市は今、溢れんばかりの光に満たされています。20世紀に街はどんどん明るくなりました。安全で高効率な光環境を手に入れた反面、明るすぎて闇を失った都市では「光害」や「騒光」という言葉さえ使われ始めています。そのような光の量に偏った発展は本当に快適な夜を創るのでしょうか。 照明探偵団の目指すものは光の量から質への価値の転換です。光のグローバリズムに押し流されず、光のローカリズムを育てることを旨とします。繊細な光の質にこだわり、それぞれの光の文化を楽しみながら育むこと。そのために照明探偵団は世界中の有志と連携して活動を展開します。
照明探偵団のビジョン
1)世界中のローカルな光文化を尊重し、そこから得る知識やインスピレーションを共有するためのプラットフォームを提供します。
2)異なる照明文化のアイデンティティーを尊重し、相互の交流を楽しみ、そこから学び、そこから考えるために活動します。
3)未来にあるべき「光、あかり、照明」と、その輝かしい光文化について語り合います。
照明探偵団の歴史
照明探偵団は1990年に東京で発足した非営利の実践的照明文化研究会です。照明デザイナー面出薫を団長とした6人の有志で発足した照明探偵団は、その後2000年に欧州からUlrike BrandiやAleksandra Stratimirovicたちが加わり、国境を越えた世界照明探偵団/Transnational Lighting Detectivesに発展しました。 現在ではTokyoを本部として, Hamburg, Stockholm, Copenhagen, Singapore, New York, Belgrade, Beijing, Bangkok, Taipei, Madrid, Mexico City,の12都市に支部が設立されています。各国のコアメンバーを中心にネットワークを組み、2002年以降は毎年1回の世界大会(世界照明探偵団フォーラム/Transnational Lighting Detectives Forum)を開催し、地元でのワークショップやシンポジウムなどを企画し、世界中の各都市を巡回しています。
照明探偵団の会員
照明探偵団は2014年現在、世界各国に500名(日本会員380名、世界会員120名)の登録会員によって運営されています。会員には、照明の専門家から教育研究者、建築家、デザイナー、学生、会社員、主婦に至るまで、照明に興味を持つ広範な市民メンバーによって構成されています。限られた職域に限らず、照明文化に興味を持つ広範な人たちと連携することが大切であると考えています。
活動内容
照明探偵団の活動は定例的に行なわれるものやイベントとして行われるものなど様々ですが、主に以下の7種類の活動を主軸としています。
① 街歩きと照明サロン
② 世界の都市照明調査
③ 出版・メディア活動
④ セミナー・展覧会の開催
⑤ ワークショップ、市民参加型イベントの開催
⑥ Webとニュースレターによる情報発信
⑦ 世界照明探偵団 フォーラムの開催